施餓鬼法要

お施餓鬼は、無縁仏を含めた三界のすべての精霊を供養するために行う法要です。

有縁無縁の一切の餓鬼に食物(飲食(おんじき))を施し与えて、ひとり残らずこれを餓鬼道の苦しみから済度する。餓鬼とは、成仏できないままに迷いの世界をさまよいつづける亡者のこと。
お釈迦様の弟子のひとり、従兄弟の間柄であった阿難(あなん)は、多年お釈迦様に仕えても欲を離れない人でした。その阿難の行為の非をたしなめたのが丑三刻(うしみどき)に現れた一餓鬼で、貪欲による悪業によって汝は三日後には餓鬼道に堕ちること必定であり、それを免れたいと思うならば、明日までにガンジス河の砂の数ほどの多数の餓鬼それぞれの前に一石の飲食を供養することである、と餓鬼は阿難尊者につたえる。そこで阿難尊者はお釈迦様にお教え頂いた、ありがたい陀羅尼を唱えながら餓鬼に食を施したところ、福寿の寿命を増したという対策が、ほかならない施餓鬼の法です。考えてみれば、自分本位の考え方の者多い現代日本人のなかで餓鬼道に堕ちないものがはたして何人いるのでしょう。己の心を貪欲の巣窟としてはなりません。施餓鬼は過去の形骸ではなく、現代に息吹いている法要であることを忘れず、心しなければならないのです。

当山、清岩寺でも7月11日(木)11時より施餓鬼法要を行いました。お陰様で檀家さんも足を運びやすい、いいお天気でした。
お釈迦様を奉ってある仏塔を礼拝することによって福徳が得られると言われてますが、私たちがその仏塔を造るのであれば、より大きな福徳を得る事ができます。法要・法事などでお塔婆をあげるのは、私たちが願主となって仏塔を建立した事と同じで、これによって得られた福徳をご先祖さまに追善廻向するためです。

特にお施餓鬼では、有縁無縁すべての霊に対しても、福徳を追善廻向するためにお塔婆をあげるのです。
塔婆供養が終わると、お盆で使う五色旗を檀家さんにお渡しします。

この五色旗は、五如来のお導きによってすべてのご先祖さまがご供養されます。すべての命を受け継いで生まれてきた私達がご先祖さまの総供養を行った事になります。感謝と敬虔な心でお盆を迎え、15日、精霊流しの時に五色旗も一緒に流したり、送り火と共に燃やします。