平成28年 文月 18日 観音様縁日

梅雨が明けたとは思えないような、蒸し暑い日が続いています。皆さま体調管理は大丈夫でしょうか。
「六道(ろくどう)」という言葉を聞かれたことがありますか。迷いの世界を六道と言い①地獄②餓鬼③畜生④修羅⑤人(にん)⑥天に区別されます。
①地獄:前世で最も重い罪を犯した者が転生(てんしょう)する世界。
②餓鬼:前世で欲望が強く、欲望のままに行動した者が行く世界。
③畜生:人間以外のものに転生する世界。
⑥天 :前世で多くの善行を積んだ者が住む神々の世界。
欲・貪(むさぼ)りなど自分を満たす事から逃れられない、このような生き方をした人が行く場所が①地獄・②餓鬼・③畜生で、その場所に堕ちていくのです。私たちがこの世でどのような事を考え、どのような生き方をしてきたのか。その結果、あの世での場所が区別されるという事を教えています。

また、私たちは迷い苦しみます。それは「三界(さんかい)」という考え方があります。欲界・色界・無色界(むしきかい)です。
欲界とは、食欲・性欲・睡眠欲などの欲望が支配的な世界である。色界と言う世界では、欲望はなくなって、肉体的あるいは物質的なものが清らかな状態にある。無色界とは、肉体的あるいは物質的なものがなく、精神的なものだけがある世界です。
お釈迦さまに「私亡き後、56億7千万年後に兜率天から降り、世の人々を救うであろう」と予言されたという弥勒菩薩は、未来を守る仏様とされます。今の私たちが生きている時代は、弥勒菩薩が現れるまでの無仏の時代となります。この無仏の時代に、救いの仏様として私たちを見守って下さる仏様が大地のように大きな慈悲の心で全ての物を育み、救ってくれるとされるお地蔵さまです。上記、六道を輪廻する人々全てを救うために六つの姿となって現れる事から、六地蔵をまつることが一般的となっていますが、あの世とこの世を行き来し衆生の人々を救うため請願されお守りくださいます。
 また、観音様もいらっしゃいます。早いもので観音様の大祭の「四萬六千日祭」も迫ってまいりました。秘仏とされお姿をこの世に現せないと50年、100年に一度の御開帳となる観音様もいらっしゃいます。「観自在菩薩」様々な苦難を受けた時、観自在菩薩と一心にその名を称え(たたえ)るなら、苦しみの音声を聞き分けてお救い下さるであろうという意味です。また、「観自在菩薩」人々から観られつつ、多くの人々を観る、そして度(すく)う働きが自由自在である。この言葉が、今でも根強い観音信仰の基となっているのではないでしょうか。年に一度の功徳のある大祭、100年ほど続く祭りです。その時代時代で試行錯誤されてここまで続いてまいりました。高齢化に伴い夜は危ないと言う方もふえてまいりましたが、時代は変わっても観音様のご利益は変わりません。たくさんの皆様のお参りをお待ちしています。